異世界拷問姫6(★★★★☆)

「今だけは俺が王だ。盲目的に、俺に従え」かつて異世界で無意味に死んだ少年・瀬名櫂人は狂王と化した。―たった一人の女を救うために。神と悪魔に囚われた『拷問姫』の代理として、人間、獣人、亜人による会合を掌渥した櫂人のもと、三種族合同の防衛戦線が動き始める。だが、従兵達の各地への侵攻は繰り返されるごとに激しさを増し、凄惨な地獄と化した世界は、櫂人に残酷な選択を突きつける。「今一度問おう―セナ・カイトには、エリザベート・レ・ファニュを殺せるのか?」綾里けいし×鵜飼沙樹で贈る今最も熱いダークファンタジー第六弾。話をしよう。これは恋の物語ではない。憧れと愚行と、幸福な愛の物語だ。

シリーズ6冊目。読み終わった後に色々と叫びたくなった。取りあえず何もかも背負い込んで愛するエリザベートの為に狂王となり、散っていった瀬名櫂人の物語はこれにて終幕。終盤でエリザベートに「大好きだよ」と告白する櫂人を見てると本当にやりきれない。最後まで櫂人についていったヒナが癒しでした、表紙が素晴らしい。
イザベラはやっぱりジャンヌが惚れるだけあって魅力的なキャラだなと、エリザベートに恋の相談をするジャンヌが可愛い。個人的にヴァリシーサも好きだったんですが、最後にあんな展開になるとは…。あとがきの「本当の地獄は、実はこれから」に驚きました。次からは彼女の物語、どうか彼女がまた櫂人に出会える日がきますように。