夜空の呪いに色はない(★★★★☆)

夜空の呪いに色はない (新潮文庫nex)

夜空の呪いに色はない (新潮文庫nex)

郵便配達人・時任は、階段島での生活を気に入っていた。手紙を受け取り、カブに乗って、届ける。七草や堀を応援しつつも、積極的に島の問題には関わらない。だが一方で、彼女は心の奥底に、ある傷を抱えていた…。大地を現実に戻すべく、決意を固める真辺。突き刺さるトクメ先生の言葉。魔女の呪いとは何か。大人になる中で僕らは何を失うのか。心を穿つ青春ミステリ、第5弾。

シリーズ5冊目。今回は今まで傍観者に徹していたかつての魔女・時任さんが中心。大人と子供の違いとは?トクメ先生の解釈がすごく深くて心に突き刺さった。七草の真辺への感情が憧れという言葉でまとめるには複雑で本当にめんどくさい奴だなと…。七草が階段島から消えた時の真辺の動揺は逆に割りと分かりやすかった。
時任さんの後悔している過去が大地が抱える問題に繋がっているとは思わなかった。大地が本当に健気で優しい子。そして堀が思った以上に強い子だったなと。個人的には真辺よりも堀の方に魔法を使わせていた方が良いと思うけどね。内容を忘れない内に続きが出るといいな。