花霞紅莉の怪異調書シリーズ 僕の瞳に映る僕(★★★★☆)

その視線を感じたら、最期──。世にニ十冊しか存在しない奇書『眼球蠱聞』。その物語をなぞるかのように、博多区連続通り魔事件が発生する。捜査官の花霞紅莉は、見た目は小柄な新人刑事ながら、他人の仕草から嘘を見抜く能力があった。コンビを組む、切れ者ながら昼行灯の捌津茅晋助と容疑者である高校生の自宅を訪れると、事件の鍵を握ると思われる『眼球蠱聞』と大量の人形を発見する。事件の真相に迫る二人は、日本庭園「仙願亭」に潜む、人形に纏わる怪異に蝕まれて行き……。
読み終わった後に思わず自分の眼球があるか手で確認したくなるような衝動にかられました。ホラー要素たっぷりな上にグロいけど面白かったです。最後まで展開がよめなくて、物語の核である「盲の姫」という存在がとにかく不気味でした。
相手の仕草から心を読み取ることのできる花霞、ガッツがあるし身長を伸ばそうと牛乳を飲んでいる描写もあって応援したくなるようなキャラ。序盤は良かったものの相棒の捌津茅が途中から段々きな臭いキャラになってきて、やっと真相が判明してひと安心したら最後に不穏な終わり方に…。こいつも結局狂ってる…。花霞が尊敬している人物なだけに残念です。題名に「花霞紅莉の怪異調書シリーズ」とありますが続きはあるのかな?もしあるなら読みたいです。