六道先生の原稿は順調に遅れています (★★★★☆)

中堅出版社に勤める文芸編集者の滝川詠見は、なかなか原稿が上がらないことに定評のあるベテラン作家・六道の担当をすることに。さっそく詠見は六道のもとへ挨拶(と催促)に向かうのだが、初老だと思っていた先生はなんと憂いを帯びた見目麗しい男子で、しかも街に潜む怪奇を喰って創作をする妖怪だと知ってしまう。出合い頭こそ驚く詠見だが、妖怪だろうと相手は作家。原稿をもらうため、取材代わりの怪奇事件に首を突っ込むことになり…?編集女子と妖怪作家のコンビが綴る、不思議×出版お仕事物語!
妖怪+小説の編集者。ベテランの作家さんなだけに安定した面白さでした。二話の「こんな晩」は後味が悪くて消化不良気味です。あんな奴もっと痛い目にあえばいいのに…。「黒坊主」も地味に怖かった、勝呂の身勝手さは我儘なガキと変わらんね。どの妖怪も怨念たっぷりでこの季節読むにはぴったりかもしれません。
主人公・詠見は仕事に一生懸命で読んでいて応援したくなるようなキャラ。最後に六道が再び小説を書こうと思えたのは詠見がいたから。六道の真の姿を目にして「原稿ください」と言える編集者魂が素晴らしい。やっと目覚めたのに立花さんが引退してしまうのは寂しいですね。続きがあるならぜひ読みたいです。