されど、化け猫は踊る 猫の手屋繁盛記 (★★★★☆)

それがしは近山宗太郎。旗本の跡取りであったが、とある事情から白猫姿に身をやつすことになってしまった。元に戻るには百の善行を積まねばニャらぬ。千眼通の福犬騒動に、カラスの濡れ羽色をした黒猫と暮らす浪人、夜な夜な唄って踊る猫の祭りの顛末やいかに!?よろず請け負い稼業“猫の手屋”、世のため人のため、猫の手貸します―。人気沸騰中のあやかし時代小説シリーズ第四巻。
シリーズ4冊目。最初の犬猫合戦はある意味平和な喧嘩だなと。もうどっちも可愛いでいいじゃん。私はどちらかというと犬派、どちらも可愛いと思いますが。大丸が良い主人に巡り会えて良かった。
宵のぞきとすばるはしんみりとしたお話でした。宗太郎がかつて尊敬した人と再会できたと思ったら、その人は病気により死ぬ寸前だった。宗太郎が一度は逃げ出してしまいながらも身近な人の「死」と向き合い、自分ができる最大限のことをしている姿に成長を感じました。自分の正体をいうのかなと思いきや内緒のままでしたね。主人思いの5匹の猫も健気でした。