ばけもの好む中将 六 美しき獣たち(★★★★☆)

帝の寵愛を一身に受けて懐妊した、宗孝の八番目の姉・梨壷の更衣。彼女に密かに対抗心を抱く異母妹の九の姉と宗孝は連れだって稲荷社へ更衣の安産祈願に訪れるが、そこで怪しげな老巫女に声をかけられる。遠く離れて暮らす夫への不信感や不満を言い当てられ、動揺する九の姉。その夜、再び姿を現した老巫女は、「あなたさまは特別なお方」と九の姉を連れ出し…。波乱の予感のシリーズ第6弾!心躍る平安冒険譚!
シリーズ6冊目。人物相関図があるのが嬉しい。今回は九の姉がメイン、音信不通の夫に不安を抱えている。面倒くさい人だなと思いつつも八の姉を羨み、誰かの特別な存在になりたいと願う彼女の気持ちも理解できる。最後は右大臣の手をとったがそれが良い方向へ転ぶといいけど。前回の初草の母との想い出を大切にしていることからも宣能が思っている程右大臣が冷酷な人には思えないけどなぁ。それにしても老巫女の踊りにはドン引きです。
今回は女の修羅場多めで怪異が少な目なのが残念 。九の姉が舞うのを失敗しそうになった時に宗孝と宣能が目線だけで合図しているのには二人の信頼関係が感じられて嬉しい展開でした。宗孝は本当に姉想いだな。