男爵の密偵 帝都宮内省秘録(★★★★☆)

男爵の密偵 帝都宮内省秘録 (朝日文庫)

男爵の密偵 帝都宮内省秘録 (朝日文庫)

不良華族の醜聞が世間を騒がせていた時代。藤巻虎弥太は高級中華料亭の給仕係だが、裏では華族を調査する機関・宮内省宗秩寮幹部の御園尾男爵に飼われる密偵だ。石蕗伯爵家の次期当主・春衡の監視を命じられるが、中国の文化と美食を愛する春衡とともに怪事件に巻き込まれる。
中国文化に傾倒する春衡が 石蕗家の次期当主として相応しいか情報を集めることになった密偵・虎弥太が事件に巻き込まれていく。変人だけど家来に優しく、実は頭の回転も速い春衡のキャラが好みでした。大好きな中国文化のことになると延々と語りだす春衡に呆れる虎弥太、という展開も好きでした。欲をいえばもっとコンビっぽいところが見たかったかな。でも副島から虎弥太を庇った時の春衡はかっこ良かったです。
輝子さんが可哀相過ぎる。御園尾はキレ者だけど冷酷さが目立っていて好きになれない。虎弥太と春衡が再会できて良かった。ぜひ続きがあるといいな〜。