君は月夜に光り輝く(★★★★☆)

大切な人の死から、どこかなげやりに生きてる僕。高校生になった僕のクラスには、「発光病」で入院したままの少女がいた。月の光を浴びると体が淡く光ることからそう呼ばれ、死期が近づくとその光は強くなるらしい。彼女の名前は、渡良瀬まみず。余命わずかな彼女に、死ぬまでにしたいことがあると知り…「それ、僕に手伝わせてくれないかな?」「本当に?」この約束から、止まっていた僕の時間が再び動きはじめた。今を生きるすべての人に届けたい最高のラブストーリー。
発光病という難病を抱えた少女と姉の死が原因で投げやりに生きている少年のラブストーリー。ストーリー展開はシンプル、だからこそ胸に迫るものがあって未だに余韻を引きずっています。姉の死を受けとめきれなかった卓也がまみずと出会って色々なことに挑戦して、行動的というか年相応の少年になっていくのは微笑ましかったです。まみずも卓也と出会って恋をしてどんどん可愛くなっていったような気がします。だからこそまみずが最後に卓也に託した願いのことを考えると泣けてくる。後「愛してる」っていう最後のメッセージも。
香山は正直最初は理解できないキャラだったりしました、彼にとってまみずは憧れとか崇拝に近い存在だったのかな?卓也との友情関係にはホッとしました。本当は死を扱った感動ストーリーは苦手だったりします…、でもこの作品は純粋に読んでいて良かったなと思えました。著者さんの次回作が楽しみです。