金物屋夜見坂少年の怪しい休日(★★★★☆)

金物屋夜見坂少年の怪しい休日 (集英社オレンジ文庫)

金物屋夜見坂少年の怪しい休日 (集英社オレンジ文庫)

夜見坂少年が営む金物屋は、副業で「まじない屋」も営んでいる。不本意ながら「まじない屋」の方が繁盛しているらしい。ある日、夜見坂は、訳合って夜見坂少年の甥になってしまった刑事・静から人身売買の噂を聞き付ける。興味を惹かれた夜見坂は、男爵家の令息で医学生千尋を誘い、旅行気分で怪しい屋敷に乗り込むが…!?
シリーズ3冊目は不老不死の象徴である「人魚の肉」がメイン。初っ端から夜見坂と静さんの会話の内容が難しくて、平然と自分の考えを述べている夜見坂の年齢を疑いたくなりました…。そして毎度のごとく夜見坂に振り回される千尋が哀れ…、でも振り回されつつも夜見坂のことが心配で放っておけない千尋は本当に良い奴。夜見坂としては唯一の友人である千尋とただ旅をしたかっただけとのことですし、この二人はこれからもこんな関係なんだろうなぁ(笑)
梓の生き方は想像できないほど辛いだろうけど、隣に寄り添ってくれるイトの存在がある限り大丈夫でしょう。子供を犠牲にしてまで生きようとする老人が汚らわしい生き物にみえた。いつもは大人びている夜見坂が10年も前に約束を破られたことを未だに根に持っていてふてくされている姿は年相応で可愛かったです。