このセカイで私だけが歌ってる(★★★★☆)

世界で一番清潔で規律正しい場所、東京。管理された犯罪の無い街で人々が豊かに暮らす一方、東京から隔絶された外側の世界は“やつら”に滅ぼされようとしていた。世界に“やつら”が現れてから数年。新米ハンターの碓氷悠介と、女の子らしい服装にこだわりを持つ汐見坂吹雪らは、ハンターチームの一員として“やつら”から人間を護る任務を請け負っていた。感染に怯える住民が立て篭る高層タワーや執拗に特定の血液を求める街など、さまざまなトラブルを抱えた地を巡るうちに、碓氷たちは外界の人々が抱える闇と、この世界に隠された真実を知る。戦え、そして逃げ続けろ。たとえ世界が終わったとしても。土橋真二郎最新作!
突如ゾンビが出現し、ゾンビによって命の危機と隣り合わせの世界でハンターとして様々な町を巡る少年少女達のお話。前作の「女の子が完全なる恋愛にときめかない3つの理由」が個人的にあまりヒットしなかったので購入するか迷いましたが、今回は面白かったです。色々な町が舞台になっていて、ゾンビを徹底的に排除する町もあれば、ゾンビに妥協して共生することで生き延びる町もあって、どの町の人間もゾンビによって精神的に蝕まれていることに変わりはないなと思いました。どの町にも行きたくない!如月が途中で脱落したのは残念でした。でもこれでゾンビに怯えなくてすむ、と言った彼女の気持ちは理解できました。
悠介と始終ツンツンな香流の会話が好きでした。吹雪やリカの存在はこの退廃した世界観では清涼剤のようだなと。彼らにはこの先も誰一人として欠けることなく旅をしてほしいです。綺麗にまとまっているので続きはないかな?