【2016年・第14回『このミステリーがすごい!大賞』大賞受賞作】 神の値段
- 作者: 一色さゆり
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2016/02/10
- メディア: 単行本
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普段は関わることはないであろう絵画の世界について知ることができたのはプラスポイント、当たり前だけどやっぱり奥深い世界だ。「無名」というミステリアスな存在がこの物語の一番の魅力だと思う。生きているのか死んでいるのか、はたまた誰かが「無名」の名を使っているのか。最後まで考えさせられました。絵を描くのに道具や線の一本一本までこだわりがあって驚いた、でも無名は構図の指示をするだけで実際に描くのは他の職人なんですね。
ミステリ部分は普通かな。佐和子から見た経営者としての唯子は厳しい人だったけど、本当はただ純粋に無名の作品に感動してこれまで無名と供に歩んできた唯子の方が素顔なんだろうな。あの人はこれからどうするのだろうか。