僕が愛したすべての君へ (ハヤカワ文庫 JA オ 12-1)
- 作者: 乙野四方字,shimano
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2016/06/23
- メディア: 文庫
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意識だけが並行世界間で日常的に揺れ動いていることが判明した世界でのお話。 こんな世界になったら疑心暗鬼になって恋愛が出来ない人が続出するんじゃなかろうか。 幼年期での亡くなってからお祖父ちゃんの愛情にやっと気付いたというオチから既にウルっときてしまいました。暦が和音に何度もめげずにアタックする姿は微笑ましく、暦の告白をさらりとかわす和音のサバサバしたキャラにも好感が持てました。二人の関係が眩しすぎて、逆に自分の寂しすぎる状態が浮き彫りになってなんともいえない気持ちになりましたが…。
二人が結ばれてからの葛藤に対して暦が出した答えは、どの世界の和音も丸ごと愛していく、というもの。それは素敵な考えだけどとても難しいことが最後の事件で鮮明になっていく。でもこの事件を通して暦と和音の絆が確固たるものになり、幸せなラストに繋がったのだから良かったのだろう。「君を愛した〜」は未読なのでそちらも読んでみたいと思います。