金物屋夜見坂少年の怪しい副業 -神隠し- (★★★★☆)

シリーズ2冊目。個人的に前回より面白くなってるなと思いました。幼い外見とは裏腹に若年寄のように落ち着いた雰囲気を持つ夜見坂。さすがに「息子がいる」と発言した時には驚きましたよ。静さんとはそういう関係なのね。夜見坂の生い立ちも明かされて、彼がいくらか背伸びして大人になろうとしているのがわかりました。大事な父親代わりの人を亡くしてしまったけど、静や千尋がいるなら何とか大丈夫だよね?千尋の「もっと気楽に子供時代を楽しんでほしい」という思いに共感しました。千尋は優しい人だな−、夜見坂に思いっきり使われてますけどそれも信頼されている証拠でしょう。
神隠し」はガッツのある少女が最終的に自分の恋を掴みとる話で読んでて清々しかったです。逆に「反魂香」は切なくてしっとりとした終わり方でした。兄の考え方は当時では異質かもしれないけど弟には理解してほしかったな。戦争という決められた道の前で最終的に弟がどういう選択をするのかまでは描かれていませんが、彼が幸せになるのなら兄の思いも報われることでしょう。