花菱夫妻の退魔帖

怨霊持ちの謎多き男爵・孝冬と婚約することになった侯爵令嬢の鈴子。鈴子は孝冬に不信感を抱きつつも、歯車が噛み合わさるように少しずつ距離が近づいていく2人の過程が自然と描かれていてさらっと読める。特に飄々とした孝冬の鈴子への心理描写がギャップがあってキュンときた。鈴子の凛とした性格カッコいい。

孝冬の兄の自殺は鈴子が追い求める真相に関係してくるのだろうか。夫婦となった2人の関係はもちろんのこと事件の真相も気になるので続きも要チェックです。

 

龍貴国宝伝 2 鳳凰は迷楼の蝶をいざなう

 

■感想 

貴龍国を巡る旅に出ていた硝飛と林迅は、硝飛の叔父に会う為に墨東国を訪れることに。最近多発している失踪事件やそれに連なるように判明した伯父一家の過去、そして硝飛と林迅の絆を引き裂く罠が仕掛けられる。

林迅にとって硝飛がかけがえのない存在というのは決して揺らがなくて、どんな人物にどんな言葉を投げかけられても硝飛を手放そうとしない彼の頑なさが素敵でした。

新キャラの烏陽もやっぱりただ者じゃなかった、林迅があまりにも硝飛一筋なので彼が仲間入することによって人間関係が広がればいいですが。

真相は落ち着くべきところに落ち着いたといったところ。最後の翠玲の描写だけ不穏なので、続編希望です。

死にたがりの完全犯罪と祭りに舞う炎の雨

■感想 

1冊目の時より更に濃密になっていく陽介と月也の関係、正に太陽と月のようにお互いの存在に寄り添

いながら支え合う2人が尊かった。

陽介も月也も「家」という存在に縛られていて、だからこそ陽介が父親から出された無理難題に2人で挑んでクリアできたことも、月也が実の母の面影と邂逅できたエピソードがあったことも嬉しかった。

 

自分の子供に将来を強制するような陽介や月也の親が毒親にしか見えなくて始終イラッとしたけど、それでも縁を切れない陽介の苦悩が切ない。

陽介にも月也にも自分のやりたいことを見つけて、2人で幸せになってほしい。

マジカル★エクスプローラー エロゲの友人キャラに転生したけど、ゲーム知識使って自由に生きる7

■感想
アマテラス女学園より救護要請を受けて、女装して潜入捜査することになった幸助と伊織。幸助女体化のクオリティが高過ぎて普通に好みの容姿なんだが。女子校に潜入してのアレコレはお約束ってやつですな。

今回のメインヒロインとなったクリスは正に正統派ヒロイン。努力家で優しくて自己肯定感が低いところもあって応援したくなるタイプ。そんな彼女が学園で起こった事件を経て一皮剥けるまでが描かれている。あくまでサブイベなのでそこまでストーリーが大きく動くような展開はなかったものの、ヒロインの背中を無自覚で押して成長させていく幸助さんカッコいいっす。足の匂いのやり取りにマニアックさを感じました(笑)

次回も幸助とヒロインズのやり取りが楽しみです。

生命の略奪者

■感想
臓器移植の為に心臓を運んでいたコーディネーターが襲われて臓器が盗まれたところから話が展開していく。

相変わらず鷹央・小鳥遊・舞の掛け合いが面白い。それにしても鷹央は最初に比べると他者の気持ちを慮る行動が増えたような気がします、小鳥遊はもちろんのこと鷹央は人間的に成長している部分が大きいですね。

事件が一段落したと思ったらまだ謎が残っていて最後まで緊迫感を感じながら読了。今回はとにかく胸糞悪いラストでした。死んでもなお誰かの命を救う強い意志を持ってくれた臓器提供者と受け継いだ命を精一杯生きようとした人間の尊厳が犯されていいはずがない。やりきれない思いがありつつも、鷹央達が頑張って真実を暴いてくれたからこその結末に救いを感じました。

家政夫くんは名探偵! ~夏休みの料理と推理

■感想
久しぶりの刊行で嬉しい限り。光弥と怜のコンビ感も板についてきて、お互いが信頼しているのが自然と伝わってきます。事件のトリックも理解しやすいので、読んでいてきちんと納得してから読み進められるのが良い。

一番印象的だったのが「夏の秘密と反抗期の問題」。反抗期の息子と仕事が忙しくてすれ違い気味の母親の人間関係に焦点が当てられていて、光弥が放任主義の母親と自分の関係を重ねてしまう複雑な心境も描かれている。
終盤の光弥と母親との会話にほっこり。やっぱりきちんと向き合って話すのが大切で、日色も母親と仲直りできて一段落。
光弥は家政夫として何でもそつなくこなすイメージがあったので反抗期の日色に戸惑う様子は新鮮で可愛かったです。

怪談男爵 籠手川晴行 2

■感想
今回も程よい怖さで安定した面白さでした。やっぱり夏にホラーは定番のテーマなので読めて良かったです。
色々なことに首を突っ込んでは困っている人を放っておけない晴行とそんな彼のお人好しな部分を窘めつつも面倒事に付き合う静栄の幼馴染みコンビも良きかな。

1話の「死電に乗る童女」はラストがほっこりするような終わり方、それとは逆に3話の「黒いアトリエ」は出てくる創作物がおぞましくて最後まで気味が悪いお話でした。晴行はいつまで怪談を求め続けるんだろうか。

ぜひ3巻も出してほしいです、気長にお待ちしております。