後宮の死化粧妃 ワケあり妖妃と奇人官吏の暗黒検視事件簿

■感想

先帝の娘でありながら後宮の死化粧師を務める紫蓮と後宮で起こる事件を調べる後宮丞の絳が事件を紐解いていく後宮ミステリ。

全体的にダークな雰囲気が漂いつつも、死者の声を死化粧師として聞き届ける紫蓮のおかげでどこか救いもある結末になっていたのが良かったです。ずっと先帝の死に囚われていた二人が真実を知ることで前へ進めるようになったのも何より。

綏の紫蓮へのアプローチがちょっと変態っぽいと思ったのは私だけ?(笑)紫蓮と綏は恋情というよりは深い信頼と絆で結ばれたソウルメイトのように見えて大変大好物な関係性でした。

リピート・ヴァイス 2~悪役貴族は死にたくないので四天王になるのをやめました~

■感想

予知夢を頼りに破滅回避の為に動くローファス。破滅の元凶である【第二の魔王】との対面イベントに挑むことになるが···。

新キャラも続々と登場し、遂に第二の魔王・レイモンドが登場。自分に自信たっぷりのいけ好かない奴だったので家来になることを断ったローファスはグッジョブ。逆にローファスと同じ四天王になる筈だったヴァルムは良い奴だったので助かってほしいところ。

フォルの積極的な告白にタジタジになるローファスが新鮮で面白かったです。なんだかんだいいつつ新ヒロイン・リルカにも調子を狂わされていたような···(笑)ローファスの活躍によってどんどん物語が改変されているので、その影響が悪い方にでないか心配です。

怠惰な悪辱貴族に転生した俺、シナリオをぶっ壊したら規格外の魔力で最凶になった2

■感想

ゲームの悪役貴族・ヴァイス・ファンセントに転生してしまった主人公が破滅の未来を回避する為に最強無双を目指すシリーズ2冊目。

夏季休暇中は避暑地で賞金首を捕まえたり、学園対抗戦の勝負で活躍したりと着実に破滅回避の布石を打っていくヴァイス。なんだかんだいいつつメインキャラが皆仲良しでそのおかげで本来のゲームの展開よりも良い流れになっている、少年漫画のような熱い場面が随所にありました。

正妻はシンティアなんだろうけど魅力的なヒロインがたくさんいるのでハーレムエンドでも大歓迎。ヴァイスには幸せになってほしいです。

 

全滅エンドを死に物狂いで回避した。パーティが病んだ。

■感想

ダンジョン探索中に巨大な魔物に遭遇した主人公・ウォルカは仲間を庇い片目片足を失ってしまう。そんな彼の惨状に仲間の少女達はとある決意をするが···。

主人公・ウォルカに対するヒロインズの激重感情がなんともいえない仄暗い感じでシリアス+コメディを良い塩梅で楽しめました。どのヒロインもウォルカの存在に助けられていて、彼へ向ける感情は似たりよったりで想いが深過ぎる。

怪我をしても前向きそうなウォルカでしたが、久しぶりに剣を握って義足を破壊してしまった時の場面はやりきれなかったですね。剣に一番の情熱を注いでたからこそ響いた場面でした。

脇役に転生した俺でも、義妹を『攻略』していいですか?

■感想

交通事故で死んだのに何故か恋愛ゲームの攻略ヒロインの義兄というサブキャラに転生していた。ややこしいことにならないように静観するつもりが辛そうな義妹を放っておけくて···。

義理の妹と本当の家族になるまでを描いた温かなホームコメディでした。全体的に定番なストーリー展開ながらも、両親を交通事故で亡くして辛い鈴那に寄り添おうと不器用ながらも奮闘する栄司の優しさがカッコよかったです。

幼馴染の和奏もナイスフォロー、こんなに栄司に一途だと本来のゲームのヒーローと恋するのが想像できない。終盤の鈴那の様子からして見事にブラコンが誕生したような気がする(笑)

 

執事の本棚は騒がしい 風見七士と数奇な図書館

■感想

幼少から不思議なモノが見えた旭は作家志望のくせに読書が苦手な大学生、ある日怪異現象の噂のある図書館で司書の七士と出逢うが···。

こんな図書館が近所にあったら通いたい、と思えるような素敵な舞台でした。本の怪異現象に翻弄されながらもその本が持つ魅力もきちんと伝わってきて、読書が苦手な旭と本を繋ぐ為の物語でもあるんだなと思いました。

大好きな本のことになると暴走気味な七士さんとツッコミ役の旭のコンビ感も良かったです。旭の父親は結局どうなったんだ?という問題は残りましたが、前向きなラストでした。

ラブコメの悪役に転生した俺は、推しのヒロインと青春を楽しむ

■感想

ブラック企業で働きすぎて意識を失った主人公は大好きなラブコメ作品の悪役に転生していた。破滅を防ぐ為に原作知識を生かして更生を誓うが···。

正にアオハル、そしてイチャ甘っぷりも程よく補給できる作品でした。素行が悪い悪役・龍介が自分の行動を省みることで、真白や母親など支えてくる存在を認識できたこと、新たな友人もできて少しずつ良い環境になっていく過程が丁寧に描かれていました。

同じく悪役のはずの真白がめちゃくちゃ健気で可愛かったです。大好きな龍介の為にギャルから清楚系に大変身、もう二人だけの世界って感じでした(笑)