魔法少女育成計画 breakdown(後) (★★★★☆)

魔法少女育成計画 breakdown(後) (このライトノベルがすごい! 文庫)
■あらすじ
規格外の強さで暴れ回る美貌の女神に、じわじわと魔力を奪い続ける大地。力を失った魔法使いと魔法少女たちは、散り散りになって島の中を逃げ惑う。女神を操っている者は誰なのか、その目的は果たして何か。敵も味方も判然としないままに、孤島から脱出するため、暴虐の女神を倒すための戦いが、今始まる……。

■感想
brakedown後半編。今回もたくさんの犠牲者を出しながら壮絶な戦いが幕を閉じる。規格外の女神の強さに何度「さっさと死んでくれ」と思ったことか。マーガリートの勇姿、チェルシーの異常なまでの魔法少女に対する拘りが印象的でした。7753とメイのやり取りに癒されつつ、推しのクランテイルが始終自分を責め続けてるのが辛かった。
最後の最後であのキャラも登場、すっかり大御所って感じだな。ラギのおかげで少しは清々したものの問題は山積み。イオールと統太が怪しい方向へ行こうとしてるし…。次は本編の再開が待ち遠しい。

月の汀に啼く鵺は 巷説山埜風土夜話の相続人(★★★★☆)

月の汀に啼く鵺は 巷説山埜風土夜話の相続人 (集英社オレンジ文庫)
■あらすじ
郷土史家だった祖父が死んだ。顔も知らない祖父に複雑な思いを抱いていた大学生の晶は、弟の雫と共に遺品を処分することに。だが、雫が見付けた遺稿「巷説山埜風土夜話」をなぞるような不思議な事件に次々と巻き込まれ……。水没した村から出土した骨、まれびとさんの足音、鵺の啼く汀。真偽不明の伝承に隠された過去、あえて真実を覆い隠した祖父の真意とは――?

■感想
絶縁状態だった祖父が残した遺稿を見つけた晶、その内容をなぞらえたような不思議な事件が起きて巻き込まれていく。民俗学が好きなので興味深い話ばかり。「まれびとさん」は終盤特に怖くて、逃げずに対話しようとした晶さんマジで勇者。隠したかった真実をこういった形で残していくのは素敵だなと思いました。
晶達のお祖父さんは不器用で不幸にもタイミングが悪かったのだろう。物語の要所々々で娘や孫を大切に思っていたと分かる場面がある、あの世との境で晶を引き止めたのにはジーンときました。全てを受け入れられなくても少しずつお祖父さんと向き合ってほしいです。晶と雫のブラコンっぷりにニマニマしました。

となりの彼女と夜ふかしごはん ~腹ペコJDとお疲れサラリーマンの半同棲生活~(★★★★☆)

となりの彼女と夜ふかしごはん ~腹ペコJDとお疲れサラリーマンの半同棲生活~ (電撃文庫)
■あらすじ
大手スーパーの文具部門で新任マネージャーとなった俺・筆塚ヒロトは、仕事漬けの毎日にすっかり憔悴していた。そんな俺の唯一の楽しみは、深夜帰宅後につまみを作って酒を飲むことだけだったはずなんだけど…いつの間にか、隣に住む腹ペコ女子・朝日さんと賑やかな半同棲生活をすることになってました。「し、深夜に揚げ物は犯罪なんですよ!」「今夜こそ誘惑に負けませんからね…!」「こんなに美味しいなんて優勝ですぅ…」優勝―それは大切な人と美味い料理で食卓を囲う瞬間のことを言う、らしい。腹ペコ女子があなたの暮らしを彩る深夜の食卓ラブコメ、召し上がれ!

■感想
シリーズ1冊目。仕事に疲れた社会人が隣に住んでいる女子大学生と食事するほのぼのラブコメかと思いきや良い意味でガッツリお仕事小説だった。朝日に被害者意識の塊と言われてからヒロトが仕事とも真剣に向き合うようになり、周囲の人達と協力し合っていく展開に胸が熱くなった。嫌な奴がスパッと敗北するのも爽快。ヒロトの場合下積み時代が短くて失敗したパターン…。
ツンツンな文月のデレが見たいので次回に期待。もちろん出てくる料理も美味しそうでメシテロ要素もグット、アスパラ食べたくなった!

薬屋のひとりごと 11(★★★★★)

薬屋のひとりごと 11 (ヒーロー文庫)

■あらすじ
戌西州を襲った大蝗害。過去の蝗害を知る者は少なく、人々は混乱する。西都や国境近くでも、食糧の強奪や暴動が頻繁に起きていた。猫猫は何もできない自分を歯がゆく思いつつも、できる限りのことをやっていた。それは中央からの客人である壬氏も同様で、身の安全のためという名目の軟禁生活を強いられながらも、蝗害を予見していたことで、中央からの支援物資を早く受け取ることができた。だが、その手柄は壬氏ではなく西都の領主代行・玉鶯のものとして扱われてしまう。手柄の横取りに猫猫は腹を立てるが、当の壬氏はどこ吹く風で、皇弟という立場を最大限に利用して戌西州への支援要請を行う。また、物資が不足する中、猫猫にさまざまな問題が火の粉となって降りかかる。謎の腹痛に苦しむ玉鶯の孫娘。変人軍師・羅漢が連れてきた棋聖と呼ばれる老人。同僚の医官・天祐の奇行。そして、消息不明だったあの人が帰ってくる⁉一方、西都では皇弟に対する不満が高まっていく。蝗害による飢えや病に苦しむ民衆は、とうとう皇族である壬氏へ怒りの矛先を向けることに。守り支えていたはずの民衆に恨まれてしまった壬氏の決断は?不審な動きを続ける領主代行・玉鶯の狙いとは?そして、猫猫は無事、危機を脱することができるのか?

■感想
怒涛の展開で読みごたえ抜群でした。玉鶯の策略に反論しつつもはまりそうだった壬氏達。玉鶯には玉鶯なりの信念と葛藤はあったでしょうがそれを塞き止めたのはまさかのキャラでした。壬氏は相変わらず苦労性というか、優しいというか。彼の思いが報われてほしいな。
表紙の陸孫は特に後半大活躍でした。あの優しそうな微笑みの下に過酷な過去をしまっていたとは…。どいつもこいつも陸孫に背負わせ過ぎだろ。しかし最後は前向きな様子だったので安心しました。影の功労者は陸孫と羅半兄ですね。

後宮の検屍女官(★★★★★)

後宮の検屍女官 (角川文庫)

後宮の検屍女官 (角川文庫)

■あらすじ
後宮にうずまく疑惑と謎を検屍術で解き明かす、中華後宮検屍ミステリ!「死王が生まれた」大光帝国の後宮は大騒ぎになっていた。謀殺されたと噂される妃嬪の棺の中で赤子の遺体が見つかったのだ。
皇后の命を受け、騒動の沈静化に乗り出した美貌の宦官・延明(えんめい)の目にとまったのは、幽鬼騒ぎにも動じずに居眠りしてばかりの侍女・桃花(とうか)。
花のように愛らしい顔立ちでありながら、出世や野心とは無縁のぐうたら女官。多くの女官を籠絡してきた延明にもなびきそうにない。そんな桃花が唯一覚醒するのは、遺体を前にしたとき。彼女には、検屍術の心得があるのだ――。

■感想
普段はぐうたらな女官だけど、検屍官という仕事に誇りを持っていて才能を発揮していく桃花のギャップが格好良かった。そんな桃花の検屍官としての仕事っぷりに感化されて彼女に対する態度が少しずつ軟化していく延明の変化、彼自身の宦官になってしまったことへの葛藤も丁寧に描かれていてキャラに共感できました。
ミステリ部分は後宮が舞台ならではの結末で、色々なものを背負って後宮にいなくていけない女性の不憫さが暴走してしまった結果だなと。また二人でコンビを組んでほしものです、続きをぜひ!

俺とコイツの推しはサイコーにカワイイ(★★★★☆)

■あらすじ
「お前ッ!! いつからギンガちゃんの正体に気づいてた!?」俺こと、南アズマは電脳アイドル『∞ギンガちゃん』の激推しフォロワー。そんなギンガちゃんの中の人は幼馴染の星夜アゲハなのだが――「お前じゃない!……西条院ロコよ」もう一人の幼馴染・ロコもギンガちゃん推しと判明し、俺たち二人でこっそり応援しようと結託するが??「ふふ……心から、愛しあっている」なぜかアゲハちゃんは俺×ロコが【恋人同士】と勘ちがいしちゃう!?すれ違う幼馴染たちは本当の友達になり、ギンガちゃんをメジャーにできるのか?
これはネットと現実が交差する、ぼっち三人組の交信録。第12回GA文庫大賞<銀賞>作品。

■感想
友達になりきれないぼっち3人組が、電脳アイドル・∞ギンガを通して本当の友情関係を結ぶまで。普段は衝突してばかりなのに推しが一緒なことから段々と仲良くなっていくアズマとロコ、素直になれないだけで本当は友達が欲しかった二人が少しずつ青春していく様子が微笑ましい。クールなアゲハも内心では二人のことを大切に思っているのが伝わってきます。
距離が近づきかけた3人にちょっかいをかける奴もいるわけで、大して喧嘩も強くないのに2人の名誉を守る為に殴り合いをするアズマさん凄い。デスルビーちゃんも面白いキャラだったので、次回はもっとギンガに絡んでほしい。

ループ7回目の悪役令嬢は、元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する1(★★★★☆)

■あらすじ
「リーシェ!僕は貴様との婚約を破棄する!!」「はい、分かりました」「えっ」20歳で命を落としては婚約破棄の瞬間にループしてしまう公爵令嬢リーシェの人生は、7回目を迎えていた。過去の人生、商人や薬師、騎士などの生き方を満喫してきたけど、今度の人生こそ長生きしてごろごろしたい!決意して飛び出そうとしたところ、とてつもない美丈夫とぶつかってしまう。その男性は、数年後に戦争を引き起こし、リーシェが死んでしまう要因を作り出した皇太子アルノルトだった!?さらに、騎士人生で培った立ち振る舞いを気に入られたのか、彼から結婚を申し込まれて―!?自分の死の原因であるアルノルトを探るため、リーシェは求婚を了承する。ごろごろしたい決意とは裏腹に、過去の人生で得た経験を発揮し注目を浴びていくリーシェは、果たして7回目の人生を生き残れるのか…!?

■感想
「好きラノ」にて上位に食い込んでいたので気になって購入。リーシェはいつも20歳で命を落としては婚約者から婚約破棄を言い渡された瞬間にループしてしまう。遂に7回目になり自分の死の原因であるアルノルトの婚約者になって死を回避する為に奔走することに。
今までの人生で培った能力を最大限に活かしながら逞しく生きるリーシェ、そんな活発で心優しい彼女に惹かれていくアルノルト。段々とお互いを信頼しあって、リーシェの前では少し素をみせるアルノルトがたまらん。
リーシェが今まで見ていたアルノルトとは違って根の部分は優しい青年だったし、弟とも和解出来たしでどんどん歴史がずれていく。はたしてリーシェは「死」を回避できるのか。面白かったけど「悪役令嬢」ではないと思う。