閻魔堂沙羅の推理奇譚 A+B+Cの殺人 (★★★★☆)

■あらすじ
「制限時間は10分。あなたは、どうして亡くなりましたか?」つかの間の休息で現世を訪れた閻魔大王の娘・沙羅が出会ったのは家出した少年少女。父に生活能力がなく、母は病没を待つばかり。世間から見放された二人にはなぜか刺客が迫っていて―!悲しき人の因縁を霊界のやさしい裁判官が裁く。謎を解けば、あなたは生き返る―どこからでも読める珠玉のミステリシリーズ!

■感想
つかの間の休息の筈が家出した兄妹に巻き込まれて、とある事件に関わることに。沙羅が自分自身でも感じていたように段々と人間的になっていく変化が好きです。今回死んだ兄妹の父親は元・ヤクザでアルコール依存症な上にどうしようもない奴。でも死が近い妻を愛しているのは本当で、沙羅の説教で父親として少しは反省したようなので改心してほしいものです。
真相が重い割にはラストは爽やかだったので後味が良かったです。努力もしない者程後悔する、沙羅のその考えは心に突き刺さりました。あまりにも正しいけど楽な道を選択してしまうし、優柔不断でチャンスも逃してしまう。志郎と汐緒里の今後が明るいといいな。