むすぶと本。 『外科室』の一途(★★★★☆)

むすぶと本。 『外科室』の一途 (ファミ通文庫)
■あらすじ
本は読み手を、深く愛している。本の声が聞こえる少年・榎木むすぶ。とある駅の貸本コーナーで出会った1冊の児童書は“ハナちゃんのところに帰らないと”と切羽詰まった声で訴えていた。恋人の夜長姫(=本)に激しく嫉妬され、学園の王子様・姫倉先輩の依頼を解決しながら、“ハナちゃん”を探し当てるのだけれど……。健気な本たちの想いを、むすぶは叶えることができるのか!? 表題作・泉鏡花の『外科室』ほか、“本の味方!”榎木むすぶがさまざまな人と本の問題を解決する学園ビブリオミステリー登場!

■感想
本の声を聞くことのできる榎本むすぶ、健気な本の想いを救う為に本の問題を解決していく。大好きなハナちゃんの元へ帰りたいと願うピッピ、ピッピの想いが健気で持ち主であるハナもピッピとの再会を喜んで想いが報われていく過程が素敵でした。健気でいうなら外子さんも同じで目白川に対しての一途さに胸をうたれました、彼の恋愛の行方は予想外でした。
十五少年漂流記」での男3人の無人島での冒険も面白かった。羅生門の結末には後味が悪いなと思っていたのでむすぶの解釈に乗り換えます(笑)ツンデレヤンデレを兼ね揃えたヒロイン・夜長姫が可愛くて頭を撫でたい…!妻科も魅力的なんだけどここまで相思相愛だと難しいかな。