ガラッパの謎 引きこもり作家のミステリ取材ファイル(★★★★☆)

ガラッパの謎 引きこもり作家のミステリ取材ファイル (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
■あらすじ
「引きこもり」作家として活躍する石田水瀬と幼馴染の徳川大樹。「隠れキリシタン」の新説に挑むため、「引きこもり」なのに、なんとか取材にやってきたが、調査は思わぬ方向へと広がってゆく。キリシタン大名、河童の一種「ヨッカブイ」、さらには「妖怪」「ユダヤ教」「一向宗」…。「河童の手」、山に入り山童となる河童。次から次に繋がっていく謎。彼らは歴史の常識を覆す新説に辿り着けるのか。

■感想
引きこもり作家の水瀬と幼馴染で日本文化史学科を専攻する大学生・大樹が「隠れキリシタン」の新説に挑んでいく。日本史や民俗学好きなので面白かったです。恥ずかしながら隠れキリシタン潜伏キリシタンの違いが分からなかったので勉強になりました。禁教になった当時の日本の背景や河童の隠喩、パズルのピースが揃っていく過程で水瀬達が導き出す結論にワクワクしながら読了。
個人的にはあのムカつく先生を論破してほしかったけど先人達が守ってきたものをそっと胸にしまった大樹達が素敵。穏やかな余韻が流れるエピローグも好きです。