アンフィニシュトの書 悲劇の物語に幸せの結末を(★★★★☆)

アンフィニシュトの書 悲劇の物語に幸せの結末を (電撃文庫)
■あらすじ
“主人公”募集。そんな怪しいバイト募集の張り紙に惹かれ、謎の美女が主を務める洋館を訪れた平凡な高校生の輝馬。雇い主である彼女に促され手にしたのは、読んだ人間を眠りに誘い本の世界に引きずり込むという特別な本“アンフィニシュトの書”だった。物語の世界で憧れの主人公になり、可憐なヒロインと出会った輝馬。しかしある夜、彼女は殺されてしまい―。主人公だけが物語の結末を幸せに導けることを知った輝馬は、彼女を救うべく再び本の世界へ。はたして彼は物語の謎を解き、ヒロインを幸せにできるのか?

■感想
バッドエンドの物語をハッピーエンドにする為に主人公・輝馬は物語の世界に入り込んで死んでしまうヒロインを救うことに。物語のヒロインであるアリアと接する内に段々と彼女に惹かれていく輝馬。アリアが目の前で殺されたり、自分が死んでしまったり等ショッキングなことがあっても最後までアリアを幸せにしようとした輝馬のガッツに拍手。
繰り返されていくバッドエンドのループで分かった悲しい真実、彼女にとっては救いともいえるハッピーエンドでも輝馬にとってはほろ苦いビターエンド。泣く輝馬を慰める絵色さんを見てはじめてこの人を大人だと思った(笑)誰かにとってはハッピーエンドでも違う誰かにとってはバッドエンドかもしれない、とても面白かったです。私は断然ハッピーエンド派です。