神さま気どりの客はどこかでそっと死んでください(★★★★☆)

神さま気どりの客はどこかでそっと死んでください (集英社オレンジ文庫)
■あらすじ
結婚相談所で「仲人」として頑張る冴。だが自分のことを客観視できないお客様のなんと多いことか…。もう駄目かもしれない、と冴が追い込まれた事件とは?コールセンターでベテランの久美子は、最近仕事の調子がいい。理由には心当たりが…?夢を諦めきれず、迷惑客が多い深夜コンビニでバイトを続ける佳奈の前に現れたのは…?ちょっとブラックなお仕事小説集。

■感想
前作に引き続きブラックなお仕事小説集。第一話の「うさぎと蜘蛛」から見事にかっ飛ばしています。藤原という男が粘着質な上に女性を「ラビット」呼びして区別する上から目線が最低、最後はお似合いカップルの誕生か…とはならずブラックな締めくくりで自業自得だと思いました。
第二話の「コールセンター」はいかにもストレスがたまりそうな仕事場でのお話。クレーマーに対してはスカっとしたけど前野さんが淡々としているところが逆に怖かった。第三話の「神さま気どり~」は佳奈が最後まで可哀想でいたたまれなかった。深夜のコンビニが魔窟過ぎてこんな客を相手にしていたらうつ病になってもおかしくない。縁切り神社は便利そうだけど慎重に願かけしないと佳奈みたいになっちゃうのかな…。