三日月邸花図鑑 花の城のアリス(★★★★☆)

三日月邸花図鑑 花の城のアリス (講談社タイガ)
◼あらすじ
「庭には誰も立ち入らないこと」―光一の亡父が遺した言葉だ。広大な大名庭園『望城園』を敷地内に持つ、江戸時代に藩主の別邸として使われた三日月邸。光一はそこで探偵事務所を開業した。ある日、事務所を訪れた不思議な少女・咲は『半分この約束』の謎を解いてほしいと依頼する。彼女に連れられ庭に踏み入った光一は、植物の名を冠した人々と、存在するはずのない城を見る。

◼感想
亡き父が遺言で入ってはいけないと遺した広大な庭園、そこに残された少女達にまつわる謎がストーリーの主軸。物語を読んでいく内にやはり生きている世界が違う以上一緒にいることは難しいのだなと思ったのが率直な感想。それでも互いを思い合った時を胸に刻むキャラ達が素敵だなと。
終盤にて犠牲になった咲の境遇を悼んでいる光一が印象的でした、周囲の波に合わせながら生きている印象が強かったので彼の人間的な部分が見れて親しみやすくなった。数馬のツンデレ具合が好きでした。光一には約束通りいつか囚われている咲を解放してあげてほしいです。