湖底ゆらめく最果て図書館 光の勇者と涙する姫君(★★★★☆)

湖底ゆらめく最果て図書館 光の勇者と涙する姫君 (電撃文庫)
◼あらすじ
魔王を倒し、「めでたしめでたし」を迎えたはずの“最果ての図書館”の平和な日々…だが、事件は突如起こった。館長・ウォレスは役目を終えたはずのケルベロスの間に、ふと悪寒を覚える。そこには剣で身体を串刺しにされた謎の美女、ヒルデがいた。彼女は“地底湖の博物館”から、命からがら逃げてきたのだという。“博物館”館長は、魔王により家族を喪い、心を病んだ少女マリーアンジュ。「世界の何もかも、全部が欲しいの」夢見心地に微笑む少女から、ヒルデを助け、館長として“図書館”を守るため、特殊魔法を会得したウォレスは“博物館”を巡る驚愕の真実を知ることに―。どこか寂しくどこまでも優しい“誰にも語り継がれないお伽噺”、追憶と哀哭のシリーズ第二幕!

◼感想
シリーズ2冊目。平和になったはずの図書館に突如起きた異変、剣で身体を串刺しにされた美女・ヒルデが来たことにより再びウォレスは事件に巻き込まれていく。ウォレスも館長としての自覚が芽生えたようで前回よりも皆と一致団結して図書館を守ろうとする姿が頼もしかった。リィリも少しずつ感情表現らしきものをしていて可愛らしい。
孤独だったヒルデとマリーの結末が優しいもので良かった。図書館を水浸しにされたウォレスは可哀相だけど。この作品の幻想的な描写が好きなので続きがあるのは嬉しい。ロットもまた登場してほしいな。