蟲愛づる姫君の婚姻(★★★★☆)

蟲愛づる姫君の婚姻 (小学館文庫キャラブン!)
◼あらすじ
この世には“蠱毒”というものがある。壺に百の毒蟲を入れて殺し合わせ、最後の一匹が猛毒の“蠱”となる。それを古来“蠱術”といい、操る術者を“蠱師”と呼ぶ。大陸でもっとも強大な斎帝国の第十七皇女・李玲琳は、周囲からひそかに「毒の姫」とあだ名される風変わりな姫だ。最愛の姉である女帝・彩蘭の指示で、隣国魁の王・楊鍠牙のもとへ嫁ぐが、結婚生活は前途多難。まず玲琳が蟲を偏愛する蠱師と判明し、魁国の者たちはドン引き。さらに鍠牙の命が何者かに狙われている―という噂が立つと、毒殺犯容疑をかけられた玲琳の立場は危ういものに…。

◼感想
宮野節全開の変人揃いのお話だった。どのキャラも色々な方向へ歪んでいて、変人扱いされていた主人公・玲琳が途中から少しまともに見えてしまった(笑)結婚相手である鍠牙もなかなか腹の中をみせない相手だが最後はすっかり玲琳の毒に侵されていると思う。「そろそろそれ以上をしてみる?」「もう少し育ってもらっていいか?」の会話が微笑ましい。
玲琳は癖のあるキャラだけど自分が蠱師であることに誇りを持っていて、その信念に忠実に行動しているところが鍠牙にとっては眩しく見えたのかな。彩蘭の愛情の形がなんとも分かりにくい…! まだラブ要素が少ないので是非続きが読みたいです。