葡萄大陸物語 野良猫姫と言葉渡しの王 (★★★★☆)

葡萄大陸物語 野良猫姫と言葉渡しの王 (角川スニーカー文庫)
◼あらすじ
様々な種族がひしめき合い、“葡萄”のように国が乱立する大陸の小国ランタン。流浪の少年メルは、多言語を話せる特技ゆえに、豹人族の姫シャルネの教育係に抜擢される。己の奔放な振る舞いにも常に優しいメルに、徐々に惹かれていくシャルネ。そんな折、大国との政略結婚を控えた彼女は相手の王を怒らせ、婚姻は最悪の形で破談に。二国間の緊張が高まる中、次期ランタン王に任命されたのは、なんとメル!?王として彼が取った起死回生の策は“シャルネと結婚し、豹人族の協力を取り付ける”というものだった!言葉を操り、人を繋げ、敗戦必至の大戦に挑む。弱小王国の下克上ファンタジー、ここに開幕!スニーカー大賞金賞。

◼感想
正に王道ファンタジーといったところ、読みやすくてキャラクター達にも好感が持てる。多言語を話せる流浪の少年・メルが豹人族の姫・シャルネの家庭教師となり、最終的には小国の王にまで成り上がっていく。全ては国を守ることに命をかけたランタン王の言う通りだった、策士で熱い男といういかにも人気が出そうなキャラだけに途中退場が悔やまれる。
無邪気で逞しいシャルネは素直に可愛らしい、特にメルと結婚できることに喜ぶところとか。脇を固めるキリンやギンも頼もしいので今後メルの支えになってくれるでしょう。綺麗にまとまってますが、メルのランタン王としての様子をもう少し見てみたいです。