今昔百鬼拾遺 河童(★★★★☆)

◼あらすじ
昭和29年、夏。複雑に蛇行する夷隅川水系に、次々と奇妙な水死体が浮かんだ。3体目発見の報せを受けた科学雑誌「稀譚月報」の記者・中禅寺敦子は、薔薇十字探偵社の益田が調査中の模造宝石事件との関連を探るべく現地に向かった。第一発見者の女学生・呉美由紀、妖怪研究家・多々良勝五郎らと共に怪事件の謎に迫るが―。山奥を流れる、美しく澄んだ川で巻き起こった惨劇と悲劇の真相とは。百鬼夜行シリーズ待望の長編!

◼感想
前回の「鬼」よりも妖怪要素が多めで嬉しかった。最初のお嬢様たちの河童談義が面白い、「尻」というワードに過剰反応してるとかピュアだな…。多々良さんの手綱を管理できる敦子がすごい。不穏な模造宝石事件から始まり、遺体となって発見されていく事件の関係者たち。
欲にかられたのかもしれないし、自らの行いを反省したのかもしれない。美由紀の「どんな顔してたって心の中までは判らない」という言葉が的を射ている。でも某キャラの立場を考えれば金の為と考えるのも仕方ない、父親が最後に選択した大切なものが彼にとって唯一の救いだと思う。今回も美由紀の言葉が心に突き刺さりました、「天狗」も楽しみ。