ばけもの好む中将 八 恋する舞台(★★★★☆)

◼あらすじ
帝に舞を披露したことで注目され、突然「モテ期」が到来した宗孝。女房たちから何通もの恋文をもらうが、和歌が苦手で返事に悩む中、中将宣能は、筆跡から書き手の感情が読み解ける妹の初草に、文の鑑定をしてもらおうと言い出し……。一方、九の姉が振り付けた桜の舞で大成功をおさめた稲荷社の専女衆は、次の演目として「藤の舞」を計画していた。手伝いをすることになった宗孝だが……?

◼感想
シリーズ8冊目。前回帝に舞を披露したことから何通もの恋文を貰った宗孝、そんな宗孝の恋の可能性を潰していく宣能が面白い。宗孝に幼い恋心を抱く妹の為でもあるし、大事な友達が変な女に引っ掛からない為、そして宗孝と遊びたい自分の為なんだろうな(笑)父への反発が相変わらず強い宣能ですが、宗孝の言う通り父には父の考えがあって冷酷な訳ではないような気がします。
東宮のやんちゃっぷりは微笑ましい、はたして初恋は実るのか。今回も本当の怪異ではありませんでしたが、今までで一番もしかしたら…と思ってしまうような雰囲気でした。最後は宗孝と宣能の仲良く会話している場面で終了、ずっとこんな二人をみていたいな。