傀儡のマトリョーシカ Her Nesting Dolls (★★★★☆)

傀儡のマトリョーシカ Her Nesting Dolls (講談社ラノベ文庫)

傀儡のマトリョーシカ Her Nesting Dolls (講談社ラノベ文庫)

◼あらすじ
文芸部の阿喰有史はある使命を受け、友人(部員)を集めていた。勧誘対象の一人、雑賀更紗がいじめをうけているとの情報を得る。半ば強引に雑賀を入部させ、他の部員達の協力のもと、いじめの犯人を捕まえることに成功。だがその犯人はカースト上位の池泳の命令で雑賀への嫌がらせをしていたという。池永に会いに行くと、彼女もまた何者かに脅されていた。脅迫の連鎖はさらに続き、首謀者の影も見つけられない。そんな頃、文芸部員宛に「捜査を止めなければきみたちの秘密をバラす」という不審なメールが届く。脅迫するに足る秘密を、犯人はどう入手しているのか?そしてその脅迫に隠された真の目的とは!?事件の結末に驚愕する学園ライトミステリー!

◼感想
異彩を放っていた表紙が気になって購入。いじめを受けている生徒を助ける為に犯人探しを始める主人公の阿喰、犯人かと思われた人物も実は首謀者に脅されて操られていて…という展開が続いて次が気になって思わず一気読み。会話は独特のテンポがあるので好き嫌いが別れそう。犯人の好きな子に対する仕打ちが病んでいて引きました、そんなやり方で両想いになるわけないだろう。
主人公の阿喰が凄く個性的に描かれていて、人の顔の判別が難しい相貌失認であったり、他者や自分の中の感情に疎かったり。今まではそんな阿喰をお姉さんが支えていたのかな。でも決して冷酷な訳ではないので憎めないキャラ。これからは更紗とたくさん青春してほしい。