夜鳥夏彦の骨董喫茶2(★★★★★)

夜鳥夏彦の骨董喫茶2 (メゾン文庫)

夜鳥夏彦の骨董喫茶2 (メゾン文庫)

◼あらすじ
頼政にようやくできた友人(?)青崎玲。彼女から、急激に幸運に恵まれ始めた冠城里子のことを相談されるが…“花瓶”。夜鳥お気に入りの女性、冬海桐子の家にお泊まり!?“像”。寂れた山村で二人が挑む忌まわしき呪い“石のおはじき”。頼政の両親が亡くなる前のエピソード、優しい夢を見せる“蝋燭立て”。夜鳥の誕生日プレゼントに頼政が選んだ、『旅』へ誘う“懐中時計”―夜鳥&頼政の大人気アンティーク・オカルトミステリ、待望の第2巻登場!

◼感想
シリーズ2冊目。どの話もしんみりとした余韻があって、その中でも「負の螺旋を垣間見る」は衝撃的なラストでした。口減らしを理由に殺してしまった子供達の魂を慰める為の祭なのに、大人の身勝手な理由で負の連鎖がまだ続いているとは…。何も知らずに手伝っているあの人も気の毒だ。「火色の再会」は頼政の母が登場しますが、頼政を可愛く思ってたならきちんとそれを言葉にして向き合って欲しかったなと。
帯の「別離」が気になってましたが、最後の話で判明します。こういう世界もあるんだなと思うと切なくなるけど、夜鳥にとって頼政が大切なのは変わらない。せめて私が今まで見てきた2人にはずっと一緒にいてほしい。夜鳥が桐子さんになついてるのは桐子さんが頼政に似ているから、というのに萌えました。ぜひ続きも読みたいです。