怪異探偵の喰加味さんは悪意しか食べない (★★★★☆)

◼あらすじ
「なんてこった!」騙されやすい大学生・白浜優は愕然としていた。上京早々、飄々とした探偵・喰加味に騙され、助手となったのだ。急須とティーカップで牛乳を飲み、やたら寒がりで、何より人を「餌」と呼ぶ。風変わりな喰加味は、実は妖怪・獏。「僕はグルメなんだ」と誇らしそうな彼は、依頼人を餌としていたのだ。ある理由で妖怪に疑心を抱いていた優。舞い込む事件は噛み合わない二人が揃うと、何故か面倒な事ばかり引き寄せてしまい―!?詐欺師のような怪異探偵と、正直すぎる青年の怪奇事件簿!

◼感想
人の感情を食べる妖怪・貘である喰加味と騙されやすいお人好しな大学生・優が怪奇事件を解決していく。メイン2人のコンビっぷりが好みでした。喰加味の友人である余丁によって2人の仲が試された第4章では、人間は餌でしかなかった喰加味が「人間は餌になるばかりじゃない。こうやって信じ、託すことだってできるんだ」といった場面が印象的でした。喰加味の変化に気付いた優も凄い。
悪意が大好きな喰加味が選んだ事件なだけあって後味が悪いものが多かったなと。第2章のかまいたちはその後が幸せそうで一安心。優の母親がついた嘘は優の心を守るための優しい嘘だなと思いました。