路地裏に怪物はもういない(★★★★☆)

路地裏に怪物はもういない (ガガガ文庫)

路地裏に怪物はもういない (ガガガ文庫)

◼あらすじ
誰もが簡単に未知を暴ける時代。路地裏の暗闇は駆逐され、幻想の余地はなくなり、怪異は姿を消して久しい。そんな現代社会で起きる不可思議な現象―乖異。己が空想こそが真の現実だと主張し、世界すら塗り換えようとする超常の力。乖異に導かれ集ったのは三人。絶えた怪異を殺す少女、空想を終わらせる男、そして世界に残された最後の怪異である少年。「死者のいない」猟奇事件に端を発した一連の流れに「真祖の吸血鬼」の存在を見いだした彼らは、それぞれの理由を胸に乖異と関わっていく。平成最後の夏、最後の幻想がはじまる。

◼感想
「平成最後を締めくくる新伝奇」という帯につられて購入。シリアスな雰囲気もありつつ、優しい余韻が残る物語でした。「乖離」という現象は一言でいうなら現実逃避みたいなものなのでしょうか、「真祖の吸血鬼」も歪んだ弱さを抱えていたからこういう悲しい結果になってしまったのか…。桜子さんの潔さが格好良かった…!
幽の今後が心配でした、ラストは大丈夫ということでいいんだよね…?感情表現が希薄な椿姫と素直でぐいぐいいく幽のコンビはバランスがとれていて好きでした。そしてエリザや沙耶が前へ進んでいると分かって一安心、エリザのツンデレ具合が可愛かったです。