君がいた美しい世界と、君のいない美しい世界のこと(★★★★☆)

君がいた美しい世界と、君のいない美しい世界のこと (電撃文庫)

君がいた美しい世界と、君のいない美しい世界のこと (電撃文庫)

◼あらすじ
高校を卒業したばかりの春休み。最愛の人である三日月緋花里を病で亡くし、失意に沈む僕のもとに一通の手紙が届く。「世界を『リセット』して、もう一度あたしに会いに来い」彼女らしい突拍子もない内容を訝しみながらも、僕は一縷の望みを懸け彼女を取り戻す旅に出た。運命を『リセット』するためには世界で一番美しいものを探し出さなければならないという。猫のかぶりものをした怪しげな男・クレセントを道連れに、彼女との想い出の場所をめぐる旅路の果て、たどり着いた『リセット』の真実とは―?ワガママで破天荒な彼女と僕の最高に幸せで甘苦い恋の顛末は、あなたの目で確かめてほしい。

◼感想
最愛の彼女・緋花里を病で亡くして落ち込んでいる日野の元へ一通の手紙が届くところから始まる切ないラブストーリー。クレセントと共に緋花里と過ごした思い出の場所へと足を運ぶことに、どのエピソードも甘酸っぱくて二人の幸せに満ち溢れている姿を想像できてしまうのが切ない。 緋花里の自分が死ぬなら好きな人も道連れにしたい、と思ってしまうのは自然なことのように思える。
二人の思い出を辿っていく中で「リセット」の意味に気付いたユウト。緋花里からの最後のメッセージはユウトを大切に想う気持ちでいっぱいでうるっときた。ユウトは今後どのような道を歩のか、それが少し心配ではある。クレセントには「お疲れ様」と言いたい。