撃ち抜かれた戦場は、そこで消えていろ ―弾丸魔法とゴースト・プログラム― (★★★★☆)

 

 ■あらすじ

機甲車が這い、弾丸魔法が降る、東国と西国の百年に及ぶ戦争。追い詰められた東の少年兵レイン・ランツは、見慣れぬ弾丸を放ち、敵将校を殺害する。―刹那、世界が一変した。戦場は通い慣れた士官学校へ切り替わり、死んだはずの級友の姿も。戸惑うレインに、弾丸を作ったという少女エアは告げる。「撃った相手を最初からいなかった世界へ再編成する“悪魔の弾丸”。このまま使いたい?」終わりなき戦場を前に、レインの決断は―「終わらせる。変えてやる。この弾丸で、全てを」世界の理を撃ち抜く、少年と少女の戦いが始まる―。第31回ファンタジア大賞“大賞”受賞のミリタリックファンタジー!

 

■感想

大賞受賞作品なだけあってストーリー設定や文章など安定した出来栄えで楽しめました。エアの弾丸に撃ち抜かれた者は存在自体が世界から抹消され、世界は再編成される。今回エア以外にも同類が登場しますが、エアの能力が一番チートなのでは…?と思いました。主人公・レインも平凡そうにみえて、胸の内に苛烈な想いを秘めた少年。悪魔の弾丸を使って戦争を終わらせることを決意した彼の今後に注目です。

エアの最後の笑顔が可愛かった。レインとエアの関係これからどんどん相棒らしくなっていくといいな。気になるのは最後にアスリーがキルリリスの弾丸を持っていたことですが、次回からどう関わってくるのか楽しみです。