ヘルハウンド 犯罪者プロファイラー・犬飼秀樹(★★★★☆)

死体マニアの変人ながら、天才的頭脳で若くして犯罪心理学の准教授を務める男、犬飼。彼は“特権法”登録ナンバー〇〇二――難解事件の捜査を特別に国に認められた民間人プロファイラーだ。【黒妖犬(ヘルハウンド)】の異名を持つ彼は、幼馴染の副検事・諭吉から持ち込まれる凶悪犯罪の真相を【悪の心理学(イーブルテクニック)】で狡猾に暴いていく。しかし、犬飼が死体を愛するきっかけとなった25年前の事件――諭吉の母の自殺だけは真相が不明で……。

大学の准教授×副検事で難解な事件を解決していくクライムサスペンス。犬飼が事件の関係者と話していく中で様々な心理トリックが利用されているのが興味深い。こんなに事件解決に時間をかけているのにボランティア扱いだなんて私には無理…、死体を見たいのもあるけど犬飼が事件を引き受けるのは諭吉の為でもあるんだろうな。
瑠衣の過去が衝撃的でした、まさかのカニバリズム…。諭吉を長いこと苦しめていた事件の真相も犬飼によって解決できてひと安心、瑠衣もそうだけど特に幼い子供にとって親の存在はとても大きい。だからこそ諭吉はせめて母親だけでも自分の中で優しい存在であってほしかったんだろうな。諭吉と犬飼の友情関係も微笑ましかったです。