異世界落語 5 (★★★★☆)

異世界落語 5 (ヒーロー文庫)

異世界落語 5 (ヒーロー文庫)

サイトピアを南下した場所にある、マドカ大陸―通称「魔大陸」。人類の敵である魔族が住み、今も戦争を繰り広げている因縁の敵国。その魔族の国マドカピアに、現代の噺家、楽々亭一福はいた。サイトピアに間者として紛れ込んでいたアヤメの暗躍によってマドカピアに攫われた一福は、ラッカとクランエ達の必死の救出作戦も失敗し、単身で敵地の中心に取り残されていたのだが…。「それでは毎度ばかばかしいお噺で一席お付き合い願います」一福が扇子でトンと、舞台を叩く。その瞬間―世界が、変わる。一福は魔族を相手に、変わらず落語を演じ続けていた。

シリーズ5冊目。アヤメによりマドカピアに連れ去られた一福、自分の今の状況を受け入れてひたすら落語に邁進する一福はある意味異常なのでしょう。そんな一福自身についてアヤメは知ろうするが、詳細は分からずじまい。個人的には一福はサイトピアよりマドカピアの方が合っているような気がしますけどね、ちゃっかり王様とも仲良くなってますし。
そして本当は優しいけど王という立場故に誰かに理解されたかった孤独な王、それが一福の落語を通して娘であるアヤメと心を通わせる展開が微笑ましかったです。一福の過去が気になるので、次回こそ深く掘り下げてほしい。