マダラ: 死を呼ぶ悪魔のアプリ(★★★★☆)

マダラ: 死を呼ぶ悪魔のアプリ (集英社文庫)

マダラ: 死を呼ぶ悪魔のアプリ (集英社文庫)

三人の大学生が互いに殺し合う不可解な事件が発生した。被害者は「マダラ」という謎のアプリをスマートフォンにインストールしていた。警視庁捜査一課の刑事・安達はやがて、“そのアプリを開いた者は、人を殺さずにはいられなくなる”という仮説にたどりつく。警察が対策を講じようとしたその時、「マダラ」が目覚め、世界に大混乱をもたらす──。謎が謎を呼ぶ衝撃のノンストップサスペンス!

「マダラ」という謎のアプリを開くと殺人衝動にかられてしまう、どんどん増えていく被害者を食い止めることはできるのか。探偵役だと思われた人物が何度か退場してしまう展開にやるせない気持ちになりました。アプリを開くだけで殺人?、という疑問を持ちつつもインターネットが生活の基盤となっている現代では決して馬鹿にできないなと。
物語の後半から主犯の甥である和樹の視点になっていきます。桜子が逞しい女性で彼女と出会ったことで和樹も救われたのかな。綾日の研究が世間に公表されていたらきっと違った未来になっていたと思いますが、果たしてどちらが良かったのか…。たくさんの犠牲を出しつつもどこか救いのあるラストで良かったです。