小説の神様 あなたを読む物語(上)(★★★★☆)

もう続きは書かないかもしれない。合作小説の続編に挑んでいた売れない高校生作家の一也は、共作相手の小余綾が漏らした言葉の真意を測りかねていた。彼女が求める続刊の意義とは…。その頃、文芸部の後輩成瀬は、物語を綴るきっかけとなった友人と苦い再会を果たす。二人を結びつけた本の力は失われたのか。物語に価値はあるのか?本を愛するあなたのための青春小説。

合作の続刊について悩む千谷たちと後輩・成瀬の視点も交えながらストーリー展開していくシリーズ2冊目。ラノベだって立派な読書!と声を高々にして叫びたい。自分よりおしゃれで今時の子との友情関係に悩む成瀬にすごく共感できた。窮屈な学校生活の中で出会った真中という大事な親友、ゆっくりでいいから成瀬と関係を修復していってほしい。
そしてなかなか進まない続編と合作が発売してから重版がかからないことを木にする千谷。先行きが不透明で着地点がみえない。九ノ里の「知り合いに、闘っているやつがいるんだ。そいつの物語を読むと、俺もなにかしたくなるんだよ。間違いなく、心を動かされるんだ」に感動、本当に友達想いだ。千谷には挫けずに頑張ってほしい。