アンティーク鑑定士 天羽奏の祓魔録 ~葡萄と小麦と海の星~(★★★★☆)

かつてバチカンで司祭としてエクソシストを務め、現在はアンティークショップを営む天羽奏は、特殊な能力を持っていた。他人と異なるその能力に悩み、私生活でも辛い思いを経験した彼を見守ってきたのは、旧友にしてワインダイニングオーナーの清泉宏輝だった。心理学者兼医師という異色の肩書をもつ経営者、清泉と天羽は下北沢に互いの店を構えている。そんな二人の元に、奇妙な出来事がつぎつぎ舞いこんできて…?風変わりな二人が遭遇する、小さくも心温まる不思議な謎解き!

あらすじに惹かれて購入。心理学者兼医師の肩書きを持つワインダイニングオーナーと元・バチカンの司祭という異色の経歴コンビが解決していく不思議な事件の数々。お人好しの奏としっかり者で皮肉屋の宏輝のコンビがお気にいり、特に「清泉の椅子」は二人が家族のように深い絆で結ばれていることがわかるエピソードでした。両親や姉を亡くして落ち込んでいる奏に宏輝が声をかける場面はグッとくる。この二人はずっとこうやって仲良くしていてほしい。
他の二つのエピソードもほっこりするような結末で心が癒されました。宏輝のお店のメニューが美味しそうで、近くに店があったら通いつめるだろうなぁ。続きがあるならぜひ読みたいです。