メーラーデーモンの戦慄（★★★★☆）

メーラーデーモンの戦慄 (講談社ノベルス)

メーラーデーモンを名乗る者から「一週間後、お前は死ぬ」というメールが届いた後、殺害される連続殺人が発生!「お客様」を殺された上木らいちは捜査を開始。被害者は全員、X‐phone社のガラケーを所有していたことが判明する。一方、休職中の元刑事・藍川は「青の館」で過ごすが、小松凪巡査部長のピンチを知り、訳ありの宿泊者たちと推理を展開。らいち&藍川、二人は辿り着いた真相に震撼する!!

前回の衝撃的な事件が原因で長期休暇をとることになった藍川。今回は読者への挑戦状で著者が「考えることを怠り、与えられる解答を鵜呑みにするつもりか」と書いてある通り、自分の力で考えることを求めているなと思った。それが意気消沈していた藍川を再起させ、見事に探偵役を務めることにも繋がっていた。再登場したキャラもいて懐かしかったです。
ミステリ部分も面白かった、SMの世界って深いんだね…。らいちは相変わらずで、通風路を屈服させるあたりさすがだなと。私もどちらかというとスマホに切り替えるタイミングが遅かったんですが、ガラケーってそんなに会社に負担かかるものなのかな。犯行理由が自己中過ぎて見苦しい。藍川が両親ときちんと向き合うラストでひと安心。