七不思議のつくりかた(★★★★☆)

五歳で両親を亡くした『僕』は、幽霊に会えると噂の高校へ進学した。そこで同じ部の綾乃先輩に恋をするも、彼女にはイケメンな同級生の彼氏がいた。でも、彼は不慮の事故で亡くなり…?話す骨格標本、プールで泳ぐ女生徒の足を引っ張る『田中さん』、人魚が棲む桜の池、時が止まる階段室、自習室に響く泣き声―とある高校の七不思議にまつわる、痛くて切ない青春物語。

学校の七不思議にまつわる短編連作集。それぞれ独立したお話だけど繋がっている話もある。あらすじの通り「痛くて切ない」テイストのお話が多かった。「正しい骨格標本」と「夏のかたわれ」は横暴なな教師が登場する部分は共通していました。しかし「夏のかたわれ」みたいに怪談のモデルが実は目の前にいるパターンはゾッとしますね、「人魚姫」も不気味な話でしたが。
表題作が一番好きです。七不思議という響きにワクワクするタイプなので、二人で校舎をまわりながら七不思議を作っていく過程にほのぼのとしました。この話の「先生」はあの人でいいのかな?少しでも早く「僕」が学校に復帰できますように。