昨日の僕が僕を殺す(★★★★☆)

昨日の僕が僕を殺す (角川文庫)

昨日の僕が僕を殺す (角川文庫)

北海道、小樽。ロシア系クオーターの男子高校生、淡井ルカは、叔母を弔うため、彼女の愛したベーカリーを訪れる。そこで出会ったのは、イケメン店長の汐見と人懐っこい青年、榊。直後、級友に肝試しで廃屋に呼び出されたルカは、化け物じみた老婦人から、死んだ娘の婿になれと迫られる。絶体絶命の中、榊に救われたルカだが、彼と汐見には驚くべき秘密が…。孤独な少年と、人に溶け込むあやかし達の、パンと絆のホラーミステリ!

過去に凄惨な事件に遭遇したせいか年齢の割に淡々とした印象の主人公。全体的にシリアスな雰囲気だけど、温かい雰囲気も感じられる物語でした。大人びてはいるけど亡くなった叔母に会いたいと願うルカが可哀相で、榊たちと出会ってルカの居場所が出来て本当に良かった。叔母さんが魅力的なキャラでルカが懐いていたのもよく分かる。
個人的なお気にいりキャラは榊(ブン)ですかね、とにかくルカ大好き!なところに癒されました。蝶子とはもう少し仲良くなってほしかったな。ルカの母親の謎もまだ解明されていないので、ぜひ続きを読みたいです。