ねんねこ書房謎解き帖 文豪の尋ね人(★★★★☆)

関東大震災で職を失った17歳の石嶺こよりは、仕事を求めて神保町の裏通りにある小さな古書店の戸をたたいた。ぼさぼさ頭の無愛想な店主・根来佐久路は、本業の傍ら「萬相談」を受けているらしい。解決のヒントになるのは芥川龍之介羅生門』、谷崎潤一郎『秘密』、そしてあの文豪も登場して―謎と秘密を「本」で解き明かす、大正ロマン古書店ミステリー!

萬相談も受け付けている古書店・ねんねこ書房で働くことになったこより。店主の佐久路は事件のヒントが隠されている文学作品をこよりに渡して謎を解くように勧める、という形式。知らなかった文学作品のこともさらっと知れて、興味が湧きました。この著者の作品の中では一番好きかもしれない。主人公のこよりはあまり読書をしなかったけど佐久路と出会ってから本が好きになっていき、逞しく親しみやすいキャラ。サタデーさんは本当に諜報員だったの?とか今流行の飯テロ小説って昔からあったんだとか色々気になりましたが、一番重かったのは「文豪の尋ね人」。いつか彼女の夢が叶いますように。
佐久路が萬相談を受けているのは行方不明の妹を探しているため。最後に進展がありましたが、中途半端なところで終わってしまっているのでぜひ続きを読みたいです。