夜鳥夏彦の骨董喫茶 (★★★★☆)

夜鳥夏彦の骨董喫茶 (メゾン文庫)

夜鳥夏彦の骨董喫茶 (メゾン文庫)

女性客でにぎわう小さな骨董品カフェ『彼方』。そこには物腰が柔らかくて黒尽くめ、自らを「人間ではない」と称するあやしげな店主、夜鳥夏彦がいる。幸か不幸かそんな夜鳥に気に入られたアルバイトの大学生、深山頼政は、昔から「物」に触れるとかおしな映像が見えてしまう困った体質。そのために、曰く付きの骨董品や依頼人がくるたび、厄介なトラブルに巻き込まれてしまい…!?日常に潜む奇怪な現象に挑む、アンティーク・オカルトミステリ!

高殿先生が推薦文をかいているのが気になって購入。全体的にシリアスで、オカルトあり、ライトミステリあり、男同士の友情ありで自分の好みが満載な一冊でした。頼政の過去が重くて、今でも精神的に引きずっているのが悲しい。引き取ってくれた義父母と夜鳥に出会えたことが頼政にとっての救い、あの二人を「彼」「彼女」と呼んでいるのが印象的。
個人的にはやはり最後のエピソードが心にズシッときた。頼政と夜鳥の友情関係が好き、できればずっと二人で仲良くしていてほしいけど最後の一文が不吉なんだよなぁ…。続きがあるならぜひ読みたいです。