カカノムモノ2: 思い出を奪った男(★★★★☆)

濁り人の死という予期せぬ事態に立ち会った浪崎碧は、心のバランスを崩していた。穢れを呑むのに必要な銅鏡もひび割れたまま、荒んだ生活を送る彼の前に現れたのは、一番信頼を置く従兄・涼。だが彼の振舞いにどこか違和感を抱いた桐島は、鏡を直すべく、碧を連れて鏡師の日名暁溪を訪ねることに。暁溪は碧に理由を告げぬまま、自分の穢れを呑めと要求し―。絶望と救済の第二幕。

シリーズ2冊目。「カカノムモノ」としての宿命を背負う碧にとって、なんの躊躇いもなく普通に踏み込んでくる桐島の遠慮のなさには救われてるんだろうなと。桐島の前では年相応に子供っぽくなる碧が微笑ましい。そんな桐島を邪魔だと思う従兄の涼。彼なりに碧を大切に思いつつも、その愛情の形は歪んでいる。いつか桐島と涼が衝突してしまう日がくるのかもしれない。
そして鏡師である暁溪が残した思いに碧が気付けて良かった。本当に懐が深い人だった、水琴の真っ直ぐさも碧には眩しかっただろうな。鏡はなんとかなりそうだけど、涼が何か企んでいそう。続きも楽しみです。