浅草あやかし絵解き 怪異とグルメは飯のタネ(★★★★☆)

あやかし絵の専門画家・富嶽北斗は奇妙な力を持っている。それは怪異を“見て”、“触れ”、描くことで封じる―“吸印”出来る力。そんな北斗は、浅草の街並みとグルメを愛する腐れ縁の小説家・多喜沢と、今日も一風変わった事象に巻き込まれ…!?「デンキブランと高女」「ホッピー通りの狐者異」「浅草寺と骨女」ほか、5篇を収録。祓い屋画家×下町グルメのあやかしミステリー、ここに開幕!

久しぶりの瑞山さん。あやかし+グルメという出版業界では飽和状態になっている2つのキーワードを使ってどう調理しているのか気になって購入。絵師である北斗は怪異が見えることで苦しんできた過去を持つ。そんな北斗をありのまま受け入れてくれた義理の両親や姉、そして腐れ縁の多喜沢。北斗の周囲は何だかんだで賑やかで楽しそう。普段はクールな北斗も姪の美紗緒には甘い、ていうか美紗緒も北斗にべったりですな。美紗緒の豪快な食べっぷりをみてると浅草に行きたくなりますね。
雨降り小僧のお話はほんわかとした可愛らしいお話でした。逆に送り犬の話は犯人が卑劣で後味が悪かったけど、肝心の犬が無事に成仏できて良かった。骨女の話はしんみりとしつつも美紗緒の言葉に男性が少しでも救われたなら何より。シリーズ化出来そうなのでぜひ続きを読みたいです。