その絆は対角線 (日曜は憧れの国) (★★★★☆)

内気な性格に悩む中学生の千鶴は、自身を変えるための新しい挑戦として、“憧れの国"と呼ばれる四谷のカルチャーセンターに通い始める。そこで出会ったのは、性格も学校もばらばらだけれど、似たような悩みを抱える桃、真紀、公子。なぜかいつも講座でささやかな謎に遭遇する彼女たちは、時にぶつかり合い、時に支え合いながら、事件を通して内面を見つめ直していく……。芸術講座で聞いた、死の間際に骨董コレクターが取った不可解な行動。創作講座で絶賛された作者不明の原稿。不思議な謎を解き明かしていくたびに、少女たちは成長する。温かく優しい筆致で描いた青春ミステリ第2弾。

シリーズ2冊目。カルチャーセンターを通して出会った中学生四人組の青春ミステリ。「その絆は対角線」では千鶴と真紀の関係性について取り上げていましたが、千鶴の真紀に対しての戸惑いがリアルで共感しました。話が進む内に二人の間で遠慮ない会話ができるようになって微笑ましい。それでも真紀は千鶴を「嫌い」と言っていたり、自分と同じように偽物だといっていたのには残念。今回千鶴は積極的だったと思うけど。
そして新キャラのエリカ先生についてはほろ苦い結末でした。公子に厳しかったのは自分に無い物を持っているから、桃に優しかったのは自分と同じ境遇だったから。嘘をつけばつく程自分を苦しめることになるんだけどね。面白かったです。