ぼくたちの青春は覇権を取れない。 ‐昇陽高校アニメーション研究部・活動録‐ (★★★★☆)

「どんな人間であれ、一日でアニメを約57本しか観ることが出来ない」ぼく、こと坂井九太郎が所属するアニ研は、上記のような世迷言を乱発する部長をリーダーとするダラダラ部活動だ。(ちなみに30分アニメからCMを抜くとOPED含め実質25分だからそれで計算して57本らしい。なんてアニメバカなんだろう)。部員はぼくと部長と、部長の幼馴染さん(女性。現実にいるんだ…なんてアニメキャラっぽいんだろう)の3人のみ。生徒会にも目をつけられてるようだし、果たして今後どうなるのかなと思っていたところに、来訪者が現れた。それはぼくの学年で一番注目を集めている美少女・岩根美弥美さん。彼女の出現を皮切りに、部には「アニメ」にまつわるちょっとした事件が次々と巻き起こり―?

前半はアニメに纏わる日常ミステリ、後半はアニ研廃部を阻止する為に伝説の自主制作アニメを探す展開に。岩根とお兄さんの大切な思い出のあるアニメを探したり、保健室登校だったアニメ好きの田中にアニ研という居場所を与えたりなどハートフルな展開に和みました。岩根やツンデレな馬越も可愛いけど、アニメ大好きオーラ全開な田中がお気に入りです。
後半はアニ研が廃部の危機に陥るわけですが、理事長一家による一方的な私怨にウンザリ。部長が生徒会長達に啖呵をきった場面にスカッとした、何でもアニメのせいにするとか馬鹿だね。最後まで諦めずに部長と同じ答えに辿り着いた坂井に拍手。続きがでるなら読みたいです。