俳優探偵 僕と舞台と輝くあいつ(★★★☆☆)

俳優探偵 僕と舞台と輝くあいつ (角川文庫)

俳優探偵 僕と舞台と輝くあいつ (角川文庫)

注目の2.5次元舞台『オメガスマッシュ』初日の幕が上がった。役者同期の水口が主役としてスポットライトを浴びる一方、僕はオーディションに落ちた敗者として客席からあいつを見上げていた。その上演中、キャストの1人が忽然と姿を消してしまう不可解な事件が発生する。僕は消えた役者の行方を追うが、そこには、役者であるがゆえの苦悩と真相が潜んでいて…。舞台に青春を捧げる若者たちの、夢と現実が交錯する3つの事件。
確かに某テニス漫画をはじめとして2.5次元舞台は熱いジャンルではありますね。個人的には水口よりも主人公・ムギと鹿間のやり取りの方が好きだし、ストーリー展開において重要だったのではないかと思いました。この物語はミステリよりも兄の自殺を乗り越えて役者としての自分を見つめ直し、前へ進んでいくムギの成長ストーリーの印象が強かったです。
ビビ先輩がどうしてあんな風になってしまったのか気になる…。鹿間が語った「現実は正解」という話が地味に胸に刺さりました、分かるんだけど感情の制御って難しい。最後のムギと鹿間の会話が好き、二人でお花見行けるといいね。