闇にあかく点るのは、鬼の灯か君の瞳。(★★★☆☆)

「俺と出会わなければ、お前は生きていられるのに―」闇に光る緋色の双眼の持ち主・タケル。彼は人の心を自在に操る不思議な力を持ち、少年の姿のまま、いつ果てるとも知れぬ時の中を生きていた。タケルの望みはただひとつ、運命の恋人のしあわせな姿。だが恋人は、何度生まれかわっても、タケルとの出会いゆえに命を削られる宿命にあった―。切なさに心ふるえる、少年たちの別離と邂逅の物語。
表紙に惹かれて購入。何度生まれ変わっても愛する人と出会えばその人の命を削ってしまうという悲しい宿命を背負うタケル。最初はBLっぽい内容でしたが、最後の展開はそうきたか〜という感じでした。ギィの言う通り雨月と品子に関しては吊り橋効果だと思うけどな。
愛する人の幸せを一番に考えてそっと見守りながら身を引くタケルが格好いいけど切ない。そもそもタケルの存在自体が謎、タケル自身もよく分かってないのかな…。この悲しみの連鎖から抜け出してほしい。陽介とブンさんがそばにいてくれるのがせめてもの救いです。タケルが報われているところが読みたい。