異世界拷問姫5 (★★★★☆)

もう一人の『拷問姫』ジャンヌ・ド・レに誘われ、地下墓所で世界の真実に直面した櫂人たちは、彼女が語る救世に協力することを決める。十四の悲劇で始まり終結を迎えるはずだった物語はここにきて残酷さを増し、全ての者に苛烈な選択を迫り出す―。綾里けいし×鵜飼沙樹で贈る今最も熱いダークファンタジー第五弾。悲劇を糧に進み続ける世界の中で、櫂人はエリザベートはヒナはジャンヌはイザベラは―そして肉屋はいかなる道を選び取るのか。
怒濤の展開で読みごたえがあった。愚かだと自覚しながらも聖女から言われたたった一つの言葉をきっかけに行動を起こした肉屋の心中が切なくて歯がゆい。エリザベートと櫂人の別れの場面にほろりときた。櫂人にとっては当然のごとく世界よりもエリザベートなんだよね。
そしてジャンヌのイザベラへの初恋もすごく良かった。ジャンヌが戸惑っている場面が新鮮で彼女がイザベラを救うことを選択してくれてひと安心。二人が絡んでいるところをもっと読みたかった。エリザベートを救う為に王となり、世界を背負った櫂人の未来が少しでも明るくなりますように。